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行き当たれ毎日

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俺、神楽坂を上る。頂上付近で左には毘沙門。
その向かいだから俺の右に「福屋」というせんべい屋。
「毘沙門せんべい」と書いた看板が俺を見てる。
左にも右にも毘沙門。ビシャモン。
だから俺、くるっと回ってビシャモンにならないといけない。
挟まれたからね。ルールは守る。
Be者悶。

でも本当は違うのに。
この店はビシャモンよりカンザブローなのに。
この場合だとビシャモンはオフサイドじゃねえの?
頭脳が渋滞してる。

親父が店先でせんべいを焼いてた頃から確かに向かいはビシャモンだった。
だけどそこで勘三郎セブンティーンがしきりに物言いをつけるわけだよ。
「もっとガジガジに焦がさんといかん。そんなものはせんべいとして認めない」
カンザブローといえば大物でしょ。
だから親父はせんべいを焦がしてカンザブロースタイルを身に付けて、
みんなもそれを認めた。
てことはここではビシャモンよりカンザブローが前に出てて、
それを今さらビシャモンが追い越すのはオフサイドだろ?

すると親父は店先に出てきて、俺を店に引っ張り込むなり、
コンロの上の網に乗っけて焦がし始めた。
遠赤外線で。
ぐげげ。
あちいなあ、と網の下を覗くとカンザブローが真っ赤に燃え盛っていた。
人はだいたい死んだら灰になるけど、彼は焦げが好きすぎて炭になったらしい。
それって役者の鑑だと思う。

思うけど、俺は炭になりたくなんかない。
転がるようにというかもう転がってた。
体の右半分がもう焦げてるから。とにかく逃げる。
這い出すようにというか這いずって店を出ると、鎧を着た仏が坂道に立っていた。

仏は藪から棒に俺の腰に手を回して担ぎ上げ、ブリッジを効かせて後ろへ反り返った。
へそで投げるバックドロップ。
ホトケサマのバックドロップ。
受身が取れず脳天から神楽坂に突き刺さった俺は、股間からパリパリと裂けていた。

二つに裂けた俺は一つの俺たちで、
ここ神楽坂では焦げてればカンザブロー、焦げてなければビシャモンだから、
とりあえず右側のカンザブローはせんべいを買い、
その間に左側のビシャモンは寺で鐘を突き、
照れくさいけど帰りは手をつないでみようと思う。
ノーサイド。

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