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テラ・てら・寺

皆さん、落語の高座とか行きますか?
僕は先日、初めて落語会というものに行きました。
「入場無料」という文句に惹かれまして。

おっさんになったせいか、最近はテレビのバラエティを見てもほとんど笑えなくなり、
もはやチャンネルを合わせることすら少なくなりましたが、
やはり芸能は生が一番ということでしょうか、すんなりと笑えました。

しかし落語は「聴く」というより「観る」ものですね。
表情や所作、細かく言えば白目黒目の操作、背筋の曲げ伸ばしや肩の角度などで、
微妙なニュアンスを醸し出しながら、その上に声が乗ってくる。
この声も、かすれたり、詰まったりは体調によって仕方ないけど、ボリュームはほぼ一定。
「芸」ですね。

この「芸」という文字は「苗木を土に植え込む形」を意味する(常用字解)そうで、
「芸を身に付ける」というのは、落語なら落語、能なら能、歌舞伎なら歌舞伎、
それぞれに受け継いでいる苗木を演者が自身の中に植え込んで育てるということなのでしょう。
この「苗木」というのは「型」と言い換えることができると思います。
代々この「型」を受け継いでいる伝統芸能というのは、
時代ごとに苗木を別の土へと植え替えているわけですね。
そして数百年という時間を経て、我々は2008年の日本でそういう芸能に触れることが出来ている。
そういう意味では無数の苗が一本の大木になっているとも言えるわけです。
しかし、その大木がそれらの苗の全てを生み出したわけではない。
あくまでも、受け継いだ苗木を自身の中で育てる者があって、
彼らが土地ではなく苗によって関係を結ぶことで、いつしか表には見えなくとも根がつながり、
一本の木は幹を太くするだけの足場を得ることができるのでしょう。

今回、僕が見た高座は、演芸場などの正式な会場ではありませんでした。
雑司が谷のお寺です。

昔は「寺子屋」なんてのがあったってんだ、なら「寺高座」があってもいいだろうよ。
21世紀ともなりゃあ、それぐらいのことでいちいち驚いてちゃすぐに日が暮れちまわあ。

ちょっと真面目な話をしておくと、この「お寺で落語会」という企画は、
なんとそのお寺のお坊さんの発案だそうです。
当日、そのお坊さんは落語会の司会を務め、会の冒頭に挨拶と趣旨説明をしておられましたが、
「みんなお寺というところを死んだ人間の世話になる場所だと思っている。
その認識を変えたい。生きている間にも気軽に来れる場所にしたい。
困っていること、悩んでいること、そういうものを気兼ねなく相談できるような」
というようなお話をされていたと思います。

その第一歩として、従来のお寺のイメージからただ単に暗い部分を除いて、
のっぺりした間口をだらしなく広げようというのではなく、
「小さくてもいいから別の入り口を作ってみよう」という思いから、
縁を辿るうちに落語会という形が見えてきたということのようです。

始まったばかりの活動ですが、この初回の盛況を受けて(ということになっている)、
第二回の開催が決定しているとのこと。
日時は年が明けて2月11日の予定だそうです。
公式サイト等はないようなので、興味のある方は以上の記述からキーワードを拾って調べてください。

あ、あと当日の高座で楽しませていただいた二人の噺家さんのお名前を記しておきます。

桂才紫さん
春風亭朝也さん

本当に面白かったです。
ありがとうございました。
これを弾みに、近いうちに寄席にも行ってみたいですね。
そんな感じで「草の根」が広がっていけばいいんだと思います。
幹の伸びや葉のそよぎは、見えない根の広がりがあってこそですから。

ああ、そうだ。
入場無料ではありましたが、こちらも意気に感じるところがあったので、
その志はきちんと示しましたよ。
そこはご心配なく。
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コメント

落語を聞いたことないんですが、非常に興味があります。
池袋に落語を聴きに行こうと思っていましたが、お寺で、しかも無料で聞けるというのは非常に魅力的ですね。
しかも、池袋から近い!
参考になる情報ありがとうございます。

>>OutstandingMan
いらっしゃいませ。
せっかくコメントいただいたのに放置してしまってすみません。

池袋には池袋演芸場でしたっけ?
小屋があるんですよね。
当日の噺家さんも「是非お運びを」と仰ってました。

実は僕、まだ行ってないんですけどね・・・
池袋にはちょくちょく行くので、折を見て行ってみようと思います。

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