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路傍のチャイナドリーム

国道。
トラック、タクシー、交通量の多い、幅の広い道。
いつからここにいるのかは分からない。
数分前からのような気もするし、もうずっと前からいたような気もする。
何年も前からここが自分の居場所だったんじゃないか、と。
僕の立っている目の前を、またすぐ後ろを、絶え間なく車が行きすぎる。
列を成してヘッドライトが通過し、テールランプが走り去っていく。
こんなところで僕は何をしているのかというと、チャーハンを作っているのだ。
ただ黙々と、強力なガスの火の上に、盥のように大きな中華鍋を振って。
評判はなかなかいいようだ。
直接に声を掛けて褒めてくれる人はないけれども、いつも同じ顔ぶれが食べに来ている。
彼らが何者なのかは知らない。なぜか、聞こうと思ったことはなかった。
そういえば、ここでは誰とも会話したことがない。

そんなことをぼんやり考えていたら、不意に声が聞こえた。
言葉は聞き取れない。だけど妙にするりと耳に入ってくる声。
僕はいつの間にか鍋を振る手を止め、その声に耳を傾けていた。
何を言っているのかは一向に聞きとれない。
だけど、いや、だからなのか、その声にしばられるように立ち尽くす。
そうしているうちに僕は全身が耳になってしまっていた。
たとえではなく、僕は耳だった。その証拠に耳たぶの裏にほくろがある。
耳になった僕は自分の体を支えられず、火の上に熱せられた中華鍋に倒れこんだ。
横たわった僕の体を、鍋底越しに青いガスの火がジリジリと熱していく。
油のはじける音とともに香ばしい煙が立ちのぼる。
なんだか眠くなってきた。フワフワしてとても心地よいと感じがする。
ああ、もうダメだ。視界が狭くなっていく。
ああ。ああ・・・


というところで目が覚めました。


なんかしばらくチャーハンとギョウザは食べたくない気分。
でも明日にはそんなの忘れてそうな気もする。
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