スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
 
 

麻布深更灰杯始末

なんていう題で新作歌舞伎にでも仕立てたらいいんじゃないかと思う。
敵役もなかなか面白い来歴を持っているようだし。

市川海老蔵(11代目)に関する酒席での暴力沙汰の話題がずいぶん長引いているようだ。
いまなら尖閣および朝鮮半島情勢にいくら時間を割いても多いということはないのに、
そのための時間を敢えて削ってまでこの話題を扱うのはどういう意図だろうか。

なんてことを本気で考える人は世界に一人もいない。
そもそも有名人の失敗談は、ある意味最古の「スクープ」だ。
敵国の王や有力者が何かしくじりはしないかとアンテナを張る。
または見方でも、勢力争いの競争相手の弱点を探る。
これらをいち早くキャッチすることが、情報収集の原点。
つまり諜報こそが本質であり、諜報によって得られた情報は、
そのとき有力と目される権力のもとへリークされる。
だから衝突映像はYouTubeへ「も」持ち込まれたのだ。

リークする者には動機がある。
衝突映像の場合は、憤りだろう。
常時、極度の緊張を強いられるであろう海域での勤務、
民間漁船を監督できていない中国の海洋行政の現状を見せることで、
「これでも日本は砲撃していない」という事実をどう見るのか、
それを問おうという決意だったのだと思われる。

さて、海老蔵の場合はどうか。
人気の歌舞伎役者。
女性や金銭に関する話題があったとしても、別段不思議はない。
むしろ、ない方が不自然なのである。
最近よくある、10代向けのファッション誌で広告マネキンとなり、
漫画原作のドラマでぼんやりと主演を務め、女(男)優さんいっちょ上がり、
という歩みは、さすがにしていない。
芸人としての修業を一通り経ている。
隠し子騒動も経て、人気女子穴と結婚もした。
イメージもクソもない。

では、そういう歌舞伎役者の失敗談を声高に取り上げて、
どうしようというのか。
これはリークした側に梨園刷新の意図があったとしても、
持ち込み先にそれを扱う手腕がなかったようである。

とにかくその論調が決定的に面白くない。
芸人が酒を飲んで暴れて痛い目を見た。
つまるところ、ただそれだけの話である。
そういう海老蔵の失敗を引き合いに出して「酒はほどほどに」などと言う。
頭がおかしいんじゃないかと思った。
「人の話を聞かない」というのが幸せの秘訣だという、
どこかできいた皮肉を思い出す。

ひたすらに芸の継承のためには血統もなにもない世界である。
何を犠牲にしてでも板の上でその身を咲かせるのが歌舞伎役者であろう。
そういう超絶的なシャーマニズムをこそ、僕は期待している。
今回の痛手だって、弁慶の立往生に活かせるかもしれない。

そもそも、キナ臭い話の一つもない役者が荒事を演じるなど、
それこそ観客を馬鹿にした話ではないか。

だからといって、日本の艦艇が不審船を目がけて発砲する様を見たい、
というわけではないですよ。
わざわざ衆目に晒すまでもない情報が執拗に取りあげられると、
その野暮ったさが何もかもを台無しにしてしまうのだ。
しかし、野暮を恐れるあまりに何もかもを隠してしまうと、
核心が全く伝わらずに形無しとなる。

役者の身の上を他人事と思うことなかれ。
ただ酒席の自戒ならず。
むしろ記述者、伝達者の戒めなり。
スポンサーサイト
 
 

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://nightfly.blog18.fc2.com/tb.php/413-ca550fa7

 

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。